サステナブル投資とトランジション(移行)投資

サステナブル投資とトランジション(移行)投資

サステナビリティは投資の新たな基軸です。 投資家のリスク調整後リターンを向上し低炭素経済への移行の舵取りをサポートするために、リスクを管理し、アルファを創出し、ポートフォリオを構築する上で不可欠です。

サステナブル投資とは何か

サステナブル投資とは、ESG(環境・社会・ガバナンス)にかかわる目標、テーマ、検討課題を、投資選定の際の重要な要素として活用する投資手法です。従来からある財務分析と組み合わせて使用し、リスク調整後リターンの向上を目指す多様なアプローチを網羅する包括的なカテゴリーです。

ESGとは何か

ESGは、投資判断の材料となりうる個々の検討課題を表しています。

Icon Globe
環境(E)
炭素排出、廃棄物とリサイクル、サプライ・チェーン・マネジメント
Icon diversification
社会(S)
ダイバーシティの問題、健康・安全、人権
Risk Icon
ガバナンス(G)
取締役会の構成/規模、透明性、株主構成

ESGの課題に対する企業の対応力が事業運営の優秀さを示唆するケースが多くみられます。

気候リスクは投資リスク

投資における環境面の検討課題(気候変動)は、企業の長期的見通しを決定づける要因としてその重要性が高まっています。ブラックロックは気候リスクを2つのカテゴリーからとらえます。
物理的な気候関連リスク
平均気温や気象パターンの変化など、気候変動が人と環境にもたらす脅威
低炭素経済への移行に関連したリスク
セクター全体の大規模な変革。低炭素経済への移行は、新興市場の出現やデジタル化といった根本的な変化を伴います。

トランジション投資とは何か

2050年ネットゼロを達成するために必要な投資

出所:IEA、2021年5月31日時点

トランジション投資とは、低炭素経済への移行や気候変動による物理的影響に関連した潜在的なリスクと機会を考慮して、投資ポートフォリオのポジションを再構築する手法です。

低炭素経済への移行とは、二酸化炭素の排出と濃度を体系的に減らすための取り組みをさします。すべての温室効果ガスのうち、二酸化炭素は人類の活動に起因する気候変動の最大の原因であり、大気中に長期間とどまることがわかっています。二酸化炭素が自然に吸収されるには、数百年、数千年もかかります。1

以下の3つの要因によって移行が進行しています。

  1. テクノロジー
  2. 社会的嗜好
  3. 政策

移行は加速度的に進むでしょう。
市場は、この3つの要因が生み出す好循環などの破壊な変化を一貫して過小評価しています。

移行は市場価格に完全には織り込まれておらず、足元で投資機会が生じています。

ブラックロックの結論:投資家は移行を無視することはできません

脱炭素化は地球全体で実体経済を再構築しています。アジア太平洋地域(APAC)は世界最大の排出国に名を連ねる中国、インド、インドネシア、日本、韓国によって世界の温室効果ガス(GHG)排出量の約45%を占めています。2

ブラックロックは、投資ソリューションとデータ分析の総合的なプラットフォームを提供することによって、移行に関連したお客さまのリスク管理と投資機会の獲得をサポートすることに注力しています。

サステナブル投資に関する用語

サステナブル投資に関する重要な用語の意味をご参照ください。

  • リスクの管理、投資機会の特定、長期的なリターン向上を目的として、従来の投資プロセスと併せてESGに関する検討課題を投資判断に組み入れる手法です。

  • 大気中の温室効果ガスは太陽熱の放射を閉じ込め、地球を生命の維持に十分な温度まで暖めます。「温室効果」とは、地球が放出する熱を吸収することを意味します。温室効果がなければ、熱は地球表面から宇宙空間に放出されます。

  • 株主の長期的な価値創造を促すコーポレート・ガバナンスの取組みを促進することを目的として、上場企業に対するエンゲージメントを行うことです。エンゲージメントと議決権行使は株主に自らの意見を表明する機会を提供します。

  • 人類起源の温室効果ガス排出を可能な限り削減し、削減できない量を大気中の二酸化炭素の回収(森林復元や炭素捕獲・貯蔵技術の導入など)によって相殺することです。

  • 2015年にパリで開催された国連気候変動枠組条約締約国会議で採択された、法的拘束力を有する気候変動に関する国際条約です。

  • 気象パターンの変化や自然災害の直接的な影響によって企業の資産や活動へのリスクが高まることです。

  • 低炭素経済への移行が企業の長期的な収益性に与える影響です。

ブラックロックのサステナブル投資への対応

ブラックロックはお客さまのサステナブル投資への移行をサポートすることに注力しており、総合的なサステナブル投資プラットフォームをご用意しています。アクティブ運用の各資産クラスにおいて、インデックス、アルファ、プライベート・マーケットのソリューションを提供し、どのような投資ポートフォリオに対してもアクセスしやすく選択できるようになっています。
Balance
お客さま第一のマインドセット
サステナビリティに対する取組みは、お客さまに代わって資産を運用し、長期的な投資成果の向上をサポートする、資産運用会社としての受託者責任に根ざしています。
Trends
柔軟性と選択肢
ブラックロックの包括的なソリューションは幅広い資産クラス、地域、投資スタイルを網羅し、多様なサステナビリティ目標と財務目標に対処します。
Savings
低炭素への移行
目標に応じた選択肢を提供して、お客さまの低炭素経済への移行の舵取りを支援することに注力します。

サステナビリティはブラックロックの投資の基軸です

ブラックロックは2020年に、気候リスクは投資リスクであり、移行はリスクとともに歴史的な投資機会をもたらすと述べました。優れたESG特性を有する企業は気候リスクに対処でき、低炭素経済への移行がもたらす機会の恩恵を受ける有利な立ち位置にあると思われます。

企業、投資家、政府は大規模な資本の再配分に備えなければなりません。ブラックロックのサステナビリティ戦略は、こうした変化を促進する2つの構造的なテーマ(移行ファイナンスとステークホルダー資本主義)に重点を置いています。これは、企業のパーパスをステークホルダーとの関係の中核に据えることが長期的な成功に不可欠だという考え方です。

サステナビリティをどのような方法で評価するか

アジア全域で企業による環境面・社会面の情報開示が急速に増えています。現在サステナビリティ会計基準審議会(SASB)の基準を使用している米国外の企業の数が、それを証明しています。アジアは現在、報告企業全体の10.5%を占めています。3

開示の増加に伴い、投資判断の情報として使用できるESGデータの質も向上しています。4

サステナビリティ指標の理解

投資家が非財務的なサステナビリティの検討を投資プロセスに組み入れる際に役立つよう、ブラックロックはすべてのファンドのサステナビリティ特性を開示しています。この情報によって、投資家はESGのリスクと機会に基づいてファンドを評価し、資産の効果的な運用と長期リターンの見通しの知見を得ることができます。

投資家は、以下を含む7項目の一貫したMSCIサステナビリティ指標を使って、ブラックロックの複数のファンドを探したり比較したりできるようになります。

  • ESGクオリティ・スコアを文字レーティングに直接置き換えたもの(AAA = 8.6~10など)。ESGレーティングは上位(AAA、AA)、平均(A、BBB、BB)、下位(B、CCC)に区分されます。

  • ファンドのMSCI ESGクオリティスコア(0~10)は、保有銘柄のESGレーティングを加重平均し算出されます。MSCIは、業種固有のESGリスクへのエクスポージャーならびに同業他社と比較してそれらのリスクを管理する能力に応じて発行体の格付けを行います。

  • 炭素集約型企業へのファンドのエクスポージャー。この数値はファンドの保有資産の売上100万米ドル当たりの温室効果ガス推定排出量を表します。これにより、規模が異なるファンド間でも比較が可能です。

個々のファンドのサステナビリティ特性については、ブラックロックiシェアーズの商品ページをご覧ください。

ブラックロックのサステナブル投資プラットフォーム

ブラックロックのサステナブル投資プラットフォームは、お客様の投資目標・目的に沿う投資の選択肢を提供

プラットフォーム上の商品は、環境、社会および/またはガバナンスのデータをポートフォリオ構築のインプットとして使い、かつ一部の商品については長期的なサステナビリティ・アウトカムの創出を追求します。5

スクリーニング アップリフト テーマ型 インパクト投資
投資手法 特定の環境、社会および/もしくはガバナンス特性に係る事業活動または発行体を除外することで投資対象を制限する手法 所定のユニバースまたはベンチマーク対比で、ポートフォリオの環境、社会および/もしくはガバナンス特性の改善を目的とする手法 経済的利益に加え、企業のビジネスモデルが長期的なサステナビリティ・アウトカムの創出を推進する発行体に投資する手法 ポジティブかつ測定可能で付加性のあるサステナビリティ・アウトカムの創出を目的とする手法
分類についての詳細 スクリーニングの実施に加えて、特定の発行体との対話を積極的に活用する手法も含む。 主に環境、社会および/ガバナンス関連のデータを活用しポートフォリオ構築や銘柄選択を行う。特定の投資目標を設定する手法も含む。 特定の環境または社会のテーマへのエクスポージャーを重視した戦略の構築を行う。 投資プロセスが、国際金融公社(IFC)が策定を主導したインパクト投資の運用原則の定める「付加性」および「意図性」を順守していることを明示しなければならない。
Related Materials-1
Related Materials-2,Related Materials-3
Related Materials-4
Related Materials-5

 

ブラックロックのサステナブルおよび移行ソリューション・チームの紹介

サステナブルおよび移行ソリューション・チームは、サステナビリティの課題、リスク、長期的運用成果の関係を社内で、またお客さまが役立てられるよう明確に解き明かすことを目指しています。

チームは、ブラックロックが公表しているサステナビリティへのコミットメントと受託者責任に沿って、サステナブル投資に関する手法、分析、商品の全社的な開発と導入を推進しています。

APACリーダー

Emily Woodland
Head of Sustainable and Transition Solutions, APAC
Yutaka Naito
Head of Sustainable and Transition Solutions, Japan
Steve Monnier
Head of Sustainable and Transition Solutions, Australasia

出所:ブラックロック、2022年12月現在。予告なく変更することがあります。


 

1 炭素と生物地球化学的循環:Climate Change 2013: The Physical Science Basis. Contribution of Working Group I to the Fifth Assessment Report of the Intergovernmental Panel on Climate Change [Stocker, T.F., D. Qin, G.K. Plattner, M. Tignor, S.K. Allen, J. Boschung, A. Nauels, Y. Xia, V. Bex and P.M. Midgley (eds.)]. Cambridge University Press, Cambridge, United Kingdom and New York, NY, USA.

2 マッキンゼー、‘Asia’s net zero transition: Opportunity and risk amid climate action’, https://www.mckinsey.com/featured-insights/future-of-asia/asias-net-zero-transition-opportunity-and-risk-amid-climate-action, 2022年10月

3 SASB、‘Global Use of SASB Standards’, https://www.sasb.org/about/global-use/、2022年10月

4 ブラックロック、https://www.blackrock.com/hk/en/investment-ideas/sustainable-investing/time-for-asias-transition、2022年10月

5 ファンドごとに定める投資目的に応じたサステナビリティ・アウトカムの創出を追求する As at December 2022.

 

重要事項

当ファンドの基準価額は、当ファンドに組入れられている有価証券等の値動きの他、為替変動による影響を受けますが、これらの運用による損益はすべて投資家の皆様に帰属いたします。元金が保証されているものではありません。
当ファンドは、預貯金や保険契約とは異なり、預金保険機構および保険契約者保護機構の保護の対象ではありません。また販売会社が登録金融機関の場合、投資者保護基金の対象にはなりません。
当ファンドの受益権を取得される場合には、投資信託説明書(交付目論見書)を取得申込み前または申込みと同時にお渡しいたしますので、必ず内容をご確認のうえ、ご自身でご判断下さい。
本資料は、当社が信頼できると判断した資料・データ等により作成いたしましたが、その正確性および完全性について保証するものではありません。また使用されるデータ等は過去のものであり、今後の成果を保証・約束するものではありません。
本資料の内容は作成日時点のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
本資料に記載された基準価額は信託報酬を控除した後の価額、分配金は課税前の金額を使用しております。
ファンドの運用期間が5年以上の場合、本資料に記載された「5年」、「10年」および「設定来」の基準価額の推移は週次の基準価額で表示しております。
分配金の金額は委託会社が基準価額水準、市況動向等を勘案して決定します。上記の表は過去の実績であり運用状況によっては、分配金額が変わる場合、あるいは分配を行わない場合があります。
分配金込みの基準価額の推移につきましては、運用レポート、運用報告書をご参照下さい。

 

MKTGH0223A/S-2740675