ブラックロックのインサイト

マクロ経済とボラティリティが高い新たなレジーム（局面）は、リターンの不透明性とばらつきをさらに拡大しています。その結果、投資ポートフォリオのアクティブ運用のリターンが今後高まっていくと考えます。

経済の変動が大きい新たなレジーム（局面）には様々な投資機会が豊富に存在します。供給制約が持続し、主要国の中央銀行は金融引き締め政策の継続を余儀なくされています。ブラックロックでは、各資産クラスの中でより緻密な選択をし、メガフォース（巨大で構造的な力）を捉え投資機会を見出せると考えます。

マクロと市場のボラティリティが高まる新たなレジーム（局面）が進行するなかで、景気後退入りの可能性が意識されています。2023年のいずれかの時点でリスク資産に対するスタンスはポジティブに転じるとみていますが、今はまだその時期ではありません。新たな投資のプレイブック（指針）が必要なのはそのためです。

経済と市場のボラティリティが高まる新たなレジームが展開しようとしています。中央銀行はインフレにのみ焦点を当てており、短期的には政策を過度に引き締め、経済的損害をもたらすとの確信を深めています。そして市場はその影響を過小評価していると考えます。

市場が不安定な時は、短期的なニュースや市場の変化に感情的に一喜一憂してしまうかもしれません。しかし、シンプルなルールを守ることで、将来何が起きても大丈夫なように備えることはできます。原則に従うことで、不確実な市場をよりよく乗り切ることができるでしょう。

2022 Midyear Global Outlookでは、「グレート・モデレーション」（安定成長とインフレの時代）の終焉について述べるとともに、年後半にブラックロックが注目する投資テーマを紹介しています。私たちは今新しい市場環境にあり、3つのテーマ「変動に備える」「インフレと共存する」「ネット・ゼロを目指す」と向き合っています。

戦争、エネルギーショック、FRB の金融政策の軸足など、2022年のOutlookを発表してから多くのことが起きました。利回りが急上昇していますが債券のアンダーウエイトを維持し、地域差はあるものの株式のオーバーウエイトを維持します。

最新のBII Global Outlookでは、年初における供給主導型インフレに伴う政策の混乱に加え、ウクライナ侵攻がセンチメントの悪化を招き、エネルギー・ショックがそれに追い打ちをかけ、リスク資産が低迷した後で、株式を広く選好するとして、日本株式のオーバーウエイトを一段階引き上げています。

2050年までに炭素排出量をネットゼロにする目標を達成できるかは、まだ定かではありません。ただ、脱炭素化への移行を無視する選択肢はもはや存在しないことは明らかです。今後、脱炭素化への移行がどのように展開していくのか、見通しを持つことが、これまでになく重要になっています。

私たちは、過去半世紀に経験したことがない新たな市場レジームに入っています。2022年も株式のリターンはプラスで、債券はマイナスになるとみています。債券よりも株式を選好しますが、2022年には潜在的に様々なシナリオが想定されるため、リスクを低減します。